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新聞配達のお姉さんに見られて勃起

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当時、地方から上京して都内の大学に通っていた大学生の「僕」は、古い木造アパートの1階に住んでいた。家賃の安さだけで選んだその部屋は、狭い上にエアコンの効きが悪く、夏場はまるでサウナのようだった。

その日も、絵に描いたような熱帯夜だった。昼間の講義と深夜までの居酒屋のバイトで体力を使い果たした僕は、ボロアパートの自室に帰り着くなり、衣服を脱ぎ捨てた。あまりの暑さに耐えかねて、普段は防犯のために閉め切っている廊下側の窓を、網戸だけにして全開にした。

ワンルームのその部屋は、玄関を入ってすぐの短い通路がそのままキッチンになっており、その向かいに窓がある。外の廊下は、住人や配達員が通りすぎる共有スペースだ。本来なら、外から室内が覗き見えてしまうリスクがあるため、そんな場所の窓を開け放つなど正気の沙汰ではない。しかし、その時の僕は睡魔と暑さで思考能力が完全に麻痺していた。

Tシャツだけを着て、下半身は下着すらつけない完全な全裸。
僕はそのまま、万年床の布団の上に大の字になって泥のように眠りについた。

どのくらい時間が経っただろうか。
うつらうつらとした意識の境界線で、パタパタという軽い足音が近づいてくるのが聞こえた。

「……あ、新聞か」

時計は見えなかったが、おそらく午前4時から5時くらいの間。まだ夜が明けきらない、薄暗い時間帯だ。いつもなら気にも留めないその足音が、その日に限って、妙に僕の意識を覚醒させた。

足音は僕の部屋の前でピタリと止まった。
そして、カササッという、新聞がドアのポストに差し込まれる独特の音が静まり返った廊下に響く。

その瞬間だった。
網戸越しに、すうっと冷たい朝の空気が流れ込んでくると同時に、誰かの視線が室内に注がれたのを肌で感じた。

「……え?」

僕は眠気眼をこすりながら、無意識に首だけを窓のほうへ向けた。
廊下の街灯の薄明かりに照らされて、網戸の向こうに人影が立っていた。それはいつも見かける年配の配達員のおじさんではなかった。ポニーテールにまとめた髪、小柄で引き締まった体つき――まだ20代前半とおぼしき、若い女性の新聞配達員だった。

彼女は、次の部屋へ向かおうと一歩踏み出したところで、我が目を疑うように足を止めていた。

全開になった窓。遮るもののない網戸。
そしてそのすぐ向こうで、Tシャツをめくり上げ、下半身を完全に丸出しにした状態で大の字になって寝転がっている男子大学生。

視線が、完全に交差した。

心臓がドクンと大きく跳ね上がった。
普通なら、ここでパニックになって布団を被るか、叫び声を上げて謝罪するところだろう。しかし、あまりにも非日常的なシチュエーションと、突然訪れた強烈な恥恥しさが、僕の脳内でまったく別の化学反応を起こした。

彼女の目は、点になっていた。
驚きと、困惑と、そして見てはいけないものを見てしまったという背徳感が混ざり合ったような表情。彼女の視線が、僕の顔から、ゆっくりと剥き出しになった下半身へと落ちていくのが分かった。

距離にして、わずか2メートル足らず。
網戸という薄い境界線一枚を隔てただけで、僕の最も羞恥すべき部分が、見ず知らずの若い女性の瞳に完全に焼き付けられている。

(見られている……!)

その事実が頭に突き刺さった瞬間、僕の身体は信じられないほどの熱を帯び始めた。全身の血流が激しく脈打ち、下半身に猛烈な勢いで血が集まっていく。彼女の視線を浴びながら、僕のそこは、生き物のように起き上がり、猛々しくそそり立っていった。

彼女は息を呑んだように見えた。
逃げ出せばいいものを、あまりの衝撃の光景に、彼女もまた身体が動かなくなってしまったのだろうか。それとも、露骨に変貌していく僕の身体から目が離せなくなってしまったのだろうか。

薄暗い廊下の中で、彼女の頬が朱に染まっていくのが見えた気がした。
彼女の綺麗な瞳が、限界まで硬くなった僕のペニスをじっと見つめている。衣服という鎧をすべて剥ぎ取られ、原始的な欲求の塊となった自分を、年頃の女性に値踏みされているような、圧倒的な支配感と隷属感が同時に押し寄せてくる。

時間にして、わずか数秒のことだったはずだ。しかし、僕にとっては永遠のようにも感じられる濃厚な時間だった。

「……っ」

彼女は小さく息を漏らすと、ハッと我に返ったように顔を真っ赤にし、弾かれたように後ろを向いた。そして、逃げるような、もつれるような足取りで、廊下の奥へと走り去っていった。

バタバタバタ……という足音が遠ざかり、やがてアパートの階段を下りていく音が響き、静寂が戻ってきた。

静まり返った部屋の中で、僕はしばらくの間、天井を見つめたまま動けなかった。
下半身はまだ、彼女の視線の残像を感じてカチカチに猛り狂ったままだ。

網戸越しに通り抜ける朝の風が、火照った肌に信じられないほど心地よく、そして官能的に絡みつく。僕はゆっくりと自分の右手を下に伸ばし、彼女が見つめていたその場所に触れた。

頭の中には、さっきの彼女の驚いた顔、そして僕のペニスをじっと見つめていたあの潤んだ瞳が鮮明に張り付いて離れない。自分がどれほど破廉恥な姿を晒していたのか、それを思い出すたびに、脳内からドーパミンが異常なほど溢れ出てくるのが分かった。

「はぁ……はぁ……」

静かな部屋に、僕の荒い息遣いだけが響く。
彼女の視線を追体験するように、自分で自分を刺激しながら、僕は人生で最も激しく、そして最も深い絶頂を迎えた。

それからというもの、僕の夏は一変した。
毎朝、新聞が届く時間になると、どうしても目が覚めてしまうようになった。さすがに二匹目のどじょうを狙って毎回丸出しで待つような度胸はなかったし、通報されるリスクを考えれば二度とやるべきではないことは分かっていた。

しかし、時折、どうしても抑えきれない衝動に駆られる夜があった。
そんな時は、あえて窓を少しだけ開け、カーテンの隙間から外の気配を伺った。彼女が再び僕の部屋の前に現れ、ポストに新聞を落とすたびに、僕の心臓はあの朝と同じように激しく高鳴り、下半身は熱く昂ぶった。

彼女が去った後、ドアのポストに残された朝刊を取りに行く。冷たい紙の感触が、あの蒸し暑い朝の、彼女との「秘密の共有」を思い出させ、僕をいつまでも興奮の渦に引き戻すのだった。

大学生時代の、若さゆえの過ちであり、誰にも言えない、僕だけの最高の夏の思い出である。

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