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田舎の寂れた温泉街の露天風呂で女子学生に

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数年前の秋口、私は大学のサークルの合宿帰りに、一人で少し寄り道をしていた。向かったのは、ガイドブックの隅に辛うじて載っているような、山陰地方の山あいに佇む小さな温泉街だ。

そこは、時間が昭和のまま止まってしまったかのような場所だった。瓦屋根の古い旅館が数軒と、湯気が立ち上る川沿いの散歩道。観光客の姿もまばらで、聞こえてくるのは川のせせらぎと、時折通り過ぎる地元の軽トラックのエンジン音だけ。日頃の都会の喧騒に疲れ果てていた私にとって、その静けさは最高の癒やしになるはずだった。

私が立ち寄ったのは、川沿いにある地域営の共同浴場。大人300円という格安の入浴料を支払い、年配の番台さんに会釈をして脱衣所へと向かう。

「にいちゃん、ゆっくりしていきな。今日の露天は風が通って気持ちいいよ」

その言葉通り、内湯を抜けた先にある露天風呂は、実に見事なものだった。ゴツゴツとした岩で囲まれた湯船の向こうには、鮮やかに色づき始めた山並みが一望できる。周囲を囲む竹垣は驚くほど低く、文字通り自然と一体になれるような、圧倒的な「開放感」に満ちていた。

先客は誰もおらず、私は完全な貸切状態に歓喜した。湯着も何もつけず、生まれたままの姿で、贅沢な源泉掛け流しの湯へと身体を沈めた。

温泉の温度は少し熱めで、じんわりと身体の芯まで染み渡るようだった。10分ほど湯に浸かっていると、のぼせてきたので、私は湯船の縁の岩に腰掛け、上半身どころか下半身まで完全に湯から出した状態で、山からの涼しい風を浴びて涼んでいた。

周囲には誰もいない。大自然の中で、自分のすべてを解放しているような万能感に浸っていた。

その時だった。
露天風呂の少し上方、距離にして10メートルほど離れた斜面の方から、華やかな、けれどこの静かな温泉街にはいささか不釣り合いな笑い声が聞こえてきた。

「ウケるんだけど! まじで言ってる?」
「待って、足湯めっちゃ熱いってば!」

声の主は、地元の女学生たちだった。セーラー服の上から指定のカーディガンを羽織った、高校生とおぼしき三人組。どうやら学校の放課後、あるいは休日のお喋りの場として、その場所を利用しにきたらしかった。

私の心臓が、ドクンと嫌な跳ね方をした。
彼女たちが集まっていたのは、共同浴場の敷地の外、一段高くなった斜面に設置されている観光客・地元住民向けの「無料の足湯スペース」だった。

私は慌てて湯船に戻ろうとしたが、その瞬間に気づいてしまった。
露天風呂を囲む竹垣は、こちらの目線を遮るためのものではなく、単なる「飾り」に過ぎなかったのだ。こちらから見上げて彼女たちの姿、さらには制服のスカートの裾から伸びる生足までがはっきりと見えるということは――。

向こうの足湯のベンチからも、この男湯の露天風呂が、遮るものなく斜め上から「丸見え」だということに。

「あ……」

三人組のうち、ショートカットで快活そうな女の子が、こちらに視線を向けたまま言葉を失った。
私が湯船に戻ろうと、岩から腰を浮かせた、まさにその無防備極まりない瞬間だった。

彼女の視線は、真っ直ぐに私の全身、そして隠すことすら忘れていた腰元へと突き刺さった。彼女が隣の友達の袖を激しく引っ張る。

「ちょっと、見て、ヤバい……!」
「え? 何が……うわっ!」

一瞬にして、三人分の視線が私の一点に集中した。

私はパニックになりながらも、咄嗟に湯船へと飛び込んだ。ザブーンと激しい湯の音が響く。しかし、ここの温泉は、悲しいほどに澄み切った「完全な無色透明」だった。湯船に浸かったところで、お湯のレンズ効果も手伝って、私の身体の輪郭は、彼女たちの位置からでもはっきりと視認できる状態のままだった。

走って脱衣所に逃げ込もうかとも思ったが、立ち上がれば再びその全貌を晒すことになる。私は湯船の中で小さくなり、両手で辛うじて前を隠すことしかできなかった。

普通の女子高生なら、気まずそうに目をそらすか、悲鳴を上げてその場を立ち去るだろう。
しかし、彼女たちは逃げなかった。それどころか、田舎の退屈な日常に突如として現れた「刺激的なアトラクション」を見つけたかのように、その場に留まり続けたのだ。

ベンチに座り、お湯に足を浸けたまま、彼女たちは顔を寄せ合ってヒソヒソと話し始めた。
クスクスという、忍び笑いの声が風に乗って私の耳に届く。

「ねえ、今のバッチリ見えちゃったよね?」
「見えた見えた。結構、若くない?」
「隠してるけど、お湯スケスケだよ」

容赦のない言葉のナイフが、私の自意識を切り刻む。恥ずかしさで顔が引き攣り、温泉の熱さとは明らかに違う、どす黒いほどの赤みが私の顔から耳、首筋へと広がっていくのが自分でも分かった。

見られている。それも、年の近い地元の女の子たちに、自分の最も秘められた部分を、上から値踏みされるように凝視されている。

その異常なシチュエーションが、私の脳内のリミッターを完全に破壊した。

「マズい、これは本当にマズい……」

心の中でそう繰り返しているというのに、私の身体は、私の意志を完全に裏切り始めていた。
恐怖や恥ずかしさを通り越した先にある、強烈な「露出」の快感。彼女たちの視線の熱量が、まるで物理的なエネルギーを持ってお湯を透過し、私の腰元へと集まってくるかのような錯覚を覚えた。

湯船の中で、両手で必死に押さえていたはずの「男の証明」が、ドクドクと脈打ちながら、猛烈な勢いで硬度を増していく。

お湯の温度以上に、下半身が熱い。
それは、恥辱の熱であり、同時に理性を狂わせるほどの、生々しい昂ぶりの熱だった。

最悪なことに、彼女たちはその変化に気づいているようだった。
一人の女の子が、驚いたように目を見開き、自分の口元を手で覆った。そして、もう一人の長い髪の女の子が、じっと目を凝らすようにして、私の湯船の下の様子を凝視してきた。

彼女たちの目が、好奇心と、少しの淫らさを孕んだ輝きを帯びていく。
「嘘、嘘でしょ……?」「ねえ、なんか大きくなってない!?」そんな声が、幻聴ではなく、確かに聞こえた気がした。

見られていることで、さらに昂ぶる。その悪循環(あるいは至高の快楽)に囚われた私は、もう彼女たちから目をそらすことすらできず、湯船の中で浅い呼吸を繰り返しながら、ただただ彼女たちの視線を浴び続け、身体を熱く疼かせていた。

どれほどの時間が流れただろうか。
時間にしてわずか5分か10分程度だったはずだが、私にとっては永遠のようにも思える濃密な時間だった。

やがて、遠くから街の夕方のチャイムが聞こえてくると、彼女たちはハッと我に返ったように立ち上がった。
最後の一人が、去り際にチラリともう一度だけ私の湯船に視線を送り、悪戯っぽく笑った。

「バイバイ、お兄ちゃん」

小さな声が聞こえた気がした。
三人のセーラー服の背中が、足湯の向こうへと消えていき、周囲には再び川のせせらぎと、静かな山の空気だけが残された。

後に残された私は、冷え切らない下半身の熱を抱えたまま、しばらく湯船から動くことができなかった。
身体は温泉で温まっているはずなのに、手足の先が小刻みに震えていた。

ようやく服を着て共同浴場を出たとき、外の空気はすっかりひんやりとした秋の気配に満ちていた。しかし、私の身体の芯、特にあの時彼女たちの視線を浴び続けた下半身の奥深くには、どうしても消えない、狂おしいほどの微熱が残り続けていた。

あの山あいの温泉街の名前を、私は今でも鮮明に覚えている。
大人になり、様々な洗練された温泉リゾートに行く機会も増えたが、あの「足湯からの視線」に晒され、すべてを剥ぎ取られたように熱くなったあの日以上の刺激には、未だに出会ったことがない。

今でも秋風が吹く季節になると、あの透明なお湯の向こうで、真っ赤に昂ぶっていた自分の身体と、彼女たちの悪戯っぽい視線を思い出し、胸の奥がじわじわと熱くなるのを感じるのだ。

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